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平家物語 (岩波新書)

, 石母田 正

によって 石母田 正
4.1 5つ星のうち 14 人の読者
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内容(「BOOK」データベースより) すぐれた古典文学のひとつである平家物語は何故に長くかつ深く日本人の心をとらえてきたのか。その力は一体どこにあるのか。歴史家でかつ古典文学を深く愛好する著者が、時代についての学問的造詣と清新な感覚によって、平家物語の文学としての本質を追究し、登場人物とその運命を生きいきと描く。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 石母田/正 1912‐1986年。1937年東京大学文学部国史学科卒業。専攻は日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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『中世的世界の形成』で知られる史家による『平家物語』論。1951年の刊行以来、私の手にしているのが2010年の第51刷だから、これほど版を重ねた名著も少ないだろう。国文学者の研究とは大いに違って、こちらの方がはるかに面白い。平氏の台頭と没落、源氏政権の樹立、貴族政治の終焉に至る過程は、日本人が天皇制国家の樹立以降に初めて経験する大内乱であり、その経験を記録するために源氏物語や今昔物語とは異なる新しい物語形式が創作された。それが平家物語であり、その主題は、「祇園精舎の鐘の声・・・」の部分から錯覚される無常観などではなく、人間が運命に激しく逆らって、もがき、格闘し、逃げ、そして死んでいく過程を、生き生きと、そして肯定的に描いているのが『平家物語』なのである。それは同時代の『方丈記』とはまったく違って、「平家物語の作者は、人間が面白くてたまらない、・・・現世の人間が汚辱と醜悪にみちておれば、なおさらそれを面白いと思う人間である。日本の古代の歴史の中で、これほど人間の種々層が豊富に展開されたことはないといえるこの内乱期に、面白い人間と事件と話が毎日のように見たり聞いたりできた」のだ(p47)。平家物語の作者は、「人間の営みを無意味なものと考える思想とたたかっている」のだ(p50)。とりわけ、平清盛の描写は素晴らしい。「清盛は、自分の生涯に満足しており、現世を厭うべきだという考えは、死にのぞんで片鱗もない。・・・死後に自分の塔堂を立てることを否定し、現世的で、楽天的で、生に対する妄執に囚われていて、死後の世界などまったく考えない清盛」(p65)。なんと素晴らしい人物だろう。運命に逆らって、どこまでも自己の生にこだわり、激しく、ずぶとく生きた人々、これが『平家物語』なのである。

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